184人が本棚に入れています
本棚に追加
気絶してしまったように体を預けてくる姫を、慌てて抱きかかえる。
「多分、寝ちまっただけだ。姫様は昨日ほとんど眠れていねぇから」
男に言われ、私は七瀬の方を見た。
「至急、叔母上に連絡を」
「もう連絡済みだ。清香もこっちへ向かっている。先代様の容態を見たいそうだ」
恭介が代わりに答え、のっそりと立ち上がりこちらへ近づいて来る。
「で、犬ってのは何だ? なかなか淫靡な響きじゃねぇか」
と、ぎろりと男を見た。
最初のコメントを投稿しよう!