日曜の夜と月曜の朝

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 リビングのソファーの端の方に榊に座ってもらい、正直は横向きの体勢で寝そべると、榊の腿に頭を乗せた。 「耳の中、見えますか?」 「見える」 「あまり奥の方には突っ込まないでくださいね」 「わかった」  初めてだという割に、もともと手先が器用な榊は手際よく耳かきをしていく。正直は気持ちよさそうに、目を閉じていた。 「終わったよ」 「じゃあ、仕上げに、フワフワで耳の中きれいにしてください」 「なるほど。そのためにこの白いのが付いているのか」  言われるままに榊が仕上げをすると、正直は上半身を起こした。 「あ、もうガサガサしていない」  左右に頭を振って確かめると、再び榊の膝枕で、今度は反対の耳を差し出す。 「こっちの耳もしてください」 「了解」 「俺、耳かきしてもらうのって、好きなんですよ」  正直は眠たげな声で言う。 「俺が終わったら、榊さんにもしてあげますね」 「いや、結構だ」 「遠慮しなくていいです」 「遠慮していない」 「俺、こう見えても、耳かきするのうまいですよ」  どうやら榊は、正直の言葉を信用していないようだ。
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