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 ここは......新宿?相変わらず高層ビルが無数に立ち並んでいる。 群衆が乱れ動く様はまさに都会のそれだ。 「先輩、戻ってきたんですね!」 お転婆な木村が神野と共に駆け寄ってきた。 「あれ、翔さんは?」 青井は無言で首を横に振る。 木村はすぐに状況を察し、慰めに転じた。 それでも、青井の心は簡単には晴れない。 交際が途絶えても思い続けた男性との永遠の別れを迎えてしまったのだ。 中々立ち直れなくとも無理はない。  ティロリン。青井の携帯電話の着信音が鳴った。 受信箱には一通の最新メールが届いている。 差出人は......五島翔! 青井は急いでメールの中身を開いて読む。 三人の間にはしばし静寂の間が流れた。 そこに書かれていたのは、一文と四文字のみ。 『ごめん、一つ言い忘れてた。                 好きだよ』 青井は携帯電話を胸に抱き締めて、泣いた。
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