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 校門で店長のオンボロのミニを見送って、Mとリンバちゃんとオレは家路についた。 「それでも・・・音楽が今は何もできないってことは、覚えておかないと。僕はリモートでみんなが歌ったり、演奏しているようなのって好きじゃない」と、M。 「確かにね、音楽として完成してないし、『何やってんの?』って」と、オレ。 「今の状況なら白けちゃうだけだと思う。今朝のぼくたちみたいに、『あいつらのんきに音楽なんか・・・』って思っちゃうよね」 「難しいな」と、オレ。 「私は今日、ちょっと元気になりました。先輩たちのおかげです」と、リンバちゃん。もう泣かないでね、オレたち、女の涙には弱いんだ。  No woman no cry!  オレらはそれぞれの家に向かった。ちょっとだけ背筋を伸ばして。
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