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 マイクスタンドをヨッコラ持ってキィ子の待つ学校へ。音楽室を挟んで吹奏楽部の部室と視聴覚室兼放送室は3つ繋がっている。まあ、共通の器材や楽器が多いから便利だけど、同時に音を出さないのが前提の配置なんだね。放送は朝と昼休み、音楽室は授業時間、ブラバンは放課後だから問題ないってことか。 「じゃあ、ちょっとテストするから、手伝って」と店長。  音楽室にアンプを配置、吹奏楽部の部室からドラムセットをオッチラ持ってきて、グランドピアノの蓋もちょっと開けると、手慣れた感じでブームスタンドにSM57をセット。そして、ボーカル用にSM58をセット。 「ほら、何してるの!ギターとベース出して!」と、店長。  Mはストラト、オレはプレシジョンを慌ててケースから引っ張り出す。  店長は視聴覚室でAKGのヘッドフォンを装着。おお、なんかレコーディングスタジオみたい・・・オレらのアビーロードだ!  店長がキューを出そうとすると、Mが手をバッテンに?  あ・・・1人忘れてた。 「私、パシってきます!」と、リンバちゃん。  それをキィ子が制して、店長にキュー出し。店長はうなずくと、放送のスイッチを入れる。 「ピンポンパンポ〜ン・・・校長先生、校長先生、至急音楽室へ来てください・・・ピンポンパンポ〜ン」  なるほどね。
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