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「はぁ~、緊張したぁ」
和希がため息をつきながら言う。新宿のカジュアルなレストラン。
「お疲れさまでした。今度は私の番だね?」
「そうだね、何せ、福岡だから、今度帰れるとしたら夏休みかな。美穂は・・・そっか、店長になってるんだよね」
奈津美に店を任せる、と言われたんだった。そっか、そんなにはお休みできないかな。
「今まで通りだったら、日、月で休みとれるんだけど、店長になったら日曜休みはやっぱ厳しいかな。でも、1泊2日くらいだったら、きっとなんとかできるよ・・・てか、する。カズキくんへのご両親へのあいさつは大切なことだから」
和希がぎゅっと美穂の手を握った。
「ありがとう。美穂の話をしてから、うちの両親大盛り上がりでさ。美穂が両親に気に入られるのは間違いないと思うよ」
美穂は微笑んだ。
「そう?そう言ってもらえると嬉しい。でも、まだ先のことだけど、ドキドキするなぁ」
くすっ、和樹は笑って
「今日までの僕の気持ちが分かった?」
「うん」
食事が終わって、デザートに入ったころ、和希が言った。
「早めに奈津美さんと陽平さんの予定聞かなきゃな」
「そだね、いろいろ忙しいだろうから、あんまり時間は取ってもらえないかもしれないけど。陽平さん、どんな人かな。会ってみたい」
「優しそうな人だよ」
「そうなんだ」
2か月間、淋しい思いやつらい思いをした分、奈津美さんには幸せになってほしい。美穂は思った。
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