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「・・・たく・・・」
「僕の彼女に何か用ですか?」
「いいのよ、カズキくん。私は、もう、完全にあなたのものよ。・・・拓也、結婚おめでとう。10月だっけ?幸せにね。これで、ほんとのさよならだね」
「美穂、俺は君にひどいことを・・・」
「いいのよ、私、今、本当に幸せ。拓也が振ってくれたから、今の幸せがあるの」
「許してくれるのか・・・?」
和希が割って入った。
「許すも許さないも、彼女と幸せになるのは、この僕だ。あんたは関係ない」
「そゆこと」
満面の笑顔の美穂。
「そっか・・・さよなら、美穂」
拓也が手を差し出した。手を握る美穂。こんな思いでこの人の手を握れる日が来るなんて思わなかった。和希のおかげだ。
「美穂、早く行こう」
「うん」
見送る拓也は、どこか切なげだった。
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