《3章》 美しい顔にはウソがある!?

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朝食を兼ねて、花染をそこに誘うことにした。何かあったら連絡しろといってたしな、と梨夏はイタズラ小僧のようにほくそ笑んだ。――へへへ。  スマホで検索した。店の情報を得た。場所は総武線の平井駅から、徒歩五分。花染のいる東砂からはさほど遠くなかったので、彼は眠たい顔をしながらも待ち合わせの平井駅に来てくれた。 「おはよーございます」  改札を抜けた先の構内。先についていた梨夏は手を振った。 「おはよー」  今にもあくびをしそうな花染。 「どうしたんですか、まだそんなにも眠いんですか」 「親戚の子供たちが来てて、遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼって一生分の遊ぼを鼓膜にたたきつけられたよ」 「あ、それで世話疲れが出たんですね。ハハハ」 「それに、キミからの突然の呼び出しだ」 「何かあったら連絡しろといってたので、お言葉に甘えました。にひひ」  まったくキミは、と花染は諦めた様子でため息を吐いた。
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