《3章》 美しい顔にはウソがある!?

39/66
248人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
「女子高生ひとりを都会の夜に放りだしたまま寝られるわけないだろう」 「ふふっ。優しいんですね」 「何かあったらすぐに連絡するんだぞ」  そのビジネスホテルは、花染の実家の近くにあった。もしものためを考え、すぐそばのホテルを取ったのだという。さすが花染さん、と梨夏はニッコリ笑った。 東京都は23区の区域から構成されている。 それを梨夏は初めて知った。  花染の実家は江東区東砂で、今夜の宿はそのすぐ近くにあった。安心を考慮してくれた花染の優しさが身に染みた。  チェックインして、部屋に入った。どこにでもありそうなビジネスホテルの一室。 ベッドにダイブした。 「ああぁー、疲れた」  楽しかったとはいえ、夏の日差しの中を一日歩き回ったのだ。体力の根っこをガッシリ奪われていた。 目を閉じて深い呼吸をしていると、梨夏はそのまま眠りについた。
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!