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時計を見ると朝の五時だった。梨夏は服と下着をベッドに脱ぎ捨てて、シャワーを浴びることにした。
目を閉じて、夢の続きを妄想していた。裸のまま瞬一を感じていた。右手をにぎってくれた瞬一のぬくもりが、まだここにあるようだった。
ふと、かつて瞬一がよく口にしていたことを思い出した。
『ワンモーアのフレンチトーストが食べたいんだよな』
――あっ、そうだ!
梨夏の記憶が確かになっていく。
ワンモーアという喫茶店のフレンチトーストが食べたい、と瞬一はよくいっていたのだ。以前テレビで紹介された喫茶店で、そこのフレンチトーストは超絶品だと評判らしい。
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