《3章》 美しい顔にはウソがある!?

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「はぁい、お待たせしました。ゆっくりしていってね」  女店員は真心が伝わるような笑みでアイスコーヒーとフレンチトーストを置いていった。 「うわっ!美味しそう」  梨夏はヨダレを我慢できなかった。 「これは確かに美味しそうだ。うん」  花染の目が輝いていた。先ほどまでの寝不足顔は雲散霧消していた。 よほど食欲がスパークしたのか、花染は一目散に食べ始めた。美味しくて声にならないらしい。うん、うん、とうなりながら食べていく。 「ハハッ。花染さんったら、落ち着いてくださいよー。もう」  梨夏はフォークを持ったまま笑った。 「キミも早く食べるんだ。これは、これは……すごいぞ」 「はいはい。いただきまーす」  フォークでひと口サイズに切り分けて、それを口に運んだ。ゆっくりと味わう。口の中で幸せが弾け出す。 「ふぬぬぬぬぬぬぬ」  梨夏は白目をむきながら食べる。咀嚼のたびにトーストの甘さとレモンのすっぱさが絶妙なバランスで鼻をぬける。 脳の底からじわじわと、そのままとろけそうになるほど美味しい。
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