《3章》 美しい顔にはウソがある!?

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梨夏はふと思った。このフレンチトーストを、瞬一はいつも食べたいといっていた。ことあるごとに話していた。サッカーの夢を語るよりも多くいっていたのではないか? そんな記憶がゆっくりと浮かんでくる。  ……となると、当然恋人の深田亜美にもいっていたはずだ。  ――何かひっかかる。何だろう。 「どうだい? 美味しいだろう」  花染がニコニコしながら梨夏に訊いた。  しかし、梨夏は答えない。頭の中で疑問と格闘している。  ――この違和感はなんだろ。 「ハハハ。言葉も出ないくらい美味しいか。これはボクの人生で一番美味しいフレンチトーストだよ。うん、言い切れる」  ―そうだ!  梨夏は深田との会話で感じていた疑問が解けた。 「絶対ウソだ!!」  梨夏は声を張っていった。
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