《3章》 美しい顔にはウソがある!?

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「いやいや、ウソじゃない。人生で一番美味しいフレンチトーストだ、これは」  ムキになる花染の言葉を梨夏はさえぎる。 「違います! フレンチトーストのことじゃなくて」 「フレンチトーストのことじゃないって。何の話だよ。何が絶対ウソなんだ」 「深田亜美です。あの女は壮大なウソをついてます」  梨夏は花染の目を力強く見つめた。 「ほう……どういうことだ」  花染が手をとめた。 「深田亜美は瞬一とは付き合ってなんかいません」  ワンモーアの店内には朝の日差しが反射していた。淡いやわらかな光。その光は花染の眼鏡をきらりと照らしていた。
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