《3章》 美しい顔にはウソがある!?

47/66
前へ
/309ページ
次へ
【4】 グラスの中で、ミルクの白がコーヒーの黒に混ざり合って溶けていく。 梨夏はストローを刺してをアイスコーヒーを飲んだ。 「うん! 美味しい。何で喫茶店のコーヒーって美味しいんですかね」 「何で野球選手は野球が上手なんでしょうか、みたいな質問だな、それは」  花染は肩を揺らして笑った。 「え、そんなに変な事いいましたかね」 「いやいや、そんなことないよ。それより、深田さんは瞬一くんとは付き合ってないと?」 「ええ、そうです。確信しました」  梨夏は力強くあごをひいた。 「どうしてそう思ったんだい」  花染の問いに、梨夏は説明していく。いい終えると、 「なるほどね。分かったよ。でも、あくまでも推測の範囲だから、本人に確かめたほうがいいかもね」  花染はストローで氷をかき回した。 「はい、そのつもりです」  梨夏は深くうなずいた。  喫茶ワンモーアを出た。本当に美味しいフレンチトーストだった。評判通り。いやそれ以上のものが舌を満足させたくれた。 女性店員は「また来てくださいね」と店先まで出向いてくれた。 「すごく美味しかったです」と梨夏はお礼をいって店を離れた。
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

247人が本棚に入れています
本棚に追加