《3章》 美しい顔にはウソがある!?

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「さて、これからどうするんだい」  花染がいった。平井駅の広場には人がチラホラと歩いている。鳩もポッポッと歩いている。 「まずは家に帰ります。お父さんに謝らないといけないし」  梨夏は苦い表情を浮かべた。 「そうだな。まずはそれが最優先だ」 「花染さんは?」 「ボクはもう二、三日こっちにいるよ。子供たちの相手もあるし。はあ……」 「辛そうな笑顔ですね。ははっ」  花染とは平井駅で別れた。スマホのナビを頼りに東京駅まで向かった。 ホームに上がり新幹線に乗車する。 『JR新幹線 ひかり 新大阪行き』  窓際の席に座る。ゆっくりと変わっていく景色。名残惜しさに鼻から息を漏らした。  名古屋を越えて、地元の風景が見えてきた。大きな田園風景の中には配送センターやパチンコ、ラブホテルが見えた。  昼前には停車駅についた。そこからローカル線に乗り換え、自宅に向かった。  
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