<第三話>

5/7
前へ
/28ページ
次へ
(厨房/同日18時40分) 瀬良がいる位置から距離がある厨房には、異常現象の影響も小さかった。 厨房に配置された調査官は無駄口を叩きながらポテトをひたすら揚げていた。 遠藤は自分で手を突っ込んで口からポテトを吐き出した。 遠藤「はあ…はあ…っ」 田辺「大丈夫か?」 遠藤「…調査はどうなっている」 田辺「最悪な状況だ」 遠藤「…トリガーは? 抑制の方法は?」 田辺「分からない」 遠藤「作戦会議って言うから何か策があるのかと思った」 田辺「聴覚には影響しないんだな」 遠藤「私がいなきゃ何もできないんだな」 田辺「……すまん。力になれなくて」 俺は素直に謝った。 クラスメイト一人助けられない。 遠藤「でも、田辺がいろいろ聞き出してくれたお陰でヒントもある」 田辺「何だ、ヒントって」 遠藤「まずは自分で考えてみろ。このままだと危険認定されて攻撃の許可が下りる。上層部は今すぐにでも対象を消したいはずだ」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加