<第一話> 

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田辺「好きだけど」 【上層部】ってネットで検索しても該当するようなものは全然出てこないし、謎の組織すぎる。 遠藤「今回の調査対象は同じクラスの瀬良だ。これから二人で近くのファミリーレストランに行ってもらう」 田辺「……待て待て。何で瀬良が調査対象なんだよ。あいつは俺なんかとでも話してくれるめちゃくちゃ良い奴なんだぞ」 遠藤「くだらない話をいつまでもしているだけだろう」 田辺「勝手に決めつけるな」 遠藤「先週の文化祭で彼の周囲10mに異常現象が認められた」 田辺「一瞬、停電しただけでしょ」 遠藤「体育祭では空間が歪み、昼休みは時間が引き延ばされた」 田辺「……」 遠藤「これはオカルト的な妄想ではない。私と、上層部さえも感知した」 田辺「本当に瀬良が関係してるのか?」 遠藤「それを今から探る。対象を観察して異常現象の原因を調査する」 田辺「対象って呼ぶなよ、クラスメイトだぞ」 遠藤「私も近くの座席で指示を出す」 小型のイヤホンを渡される。  田辺「遠藤もファミレス来るってこと?」 遠藤「そうだ」 田辺「俺は普通に瀬良と遊びたいんだけど」 遠藤「調査の指揮は私が取る。対象が要注意から危険レベルに変化したら“抑制”を試みること、いいね?」
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