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【 堕 】
おちる
おちる
おちてゆく
その先に何があるかはわからないが、僕は底を目指しておちていく。
「今日もかわいいよ」
「思って無いくせに」
「思っているさ」
「嘘つき」
繰り返しの4行。
繰り返し。
ブクブク弾ける気泡に見分けがつかないように、このおじさんもまた、同じもの。
価値がないもの。
僕には不要なもの。
それでも僕は求める。
違う気泡を求めて。
底へ手を伸ばす。
「かわいいよ」
また、この人も同じ言葉を言うんだ……。
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