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そして、一日経って一週間の始まり、月曜日を迎えた。
もう無意味だと思っていても、自分のルーティンはそう簡単には変えられない。
ちゃんと起きれたのか、
いつもどおりに起きていれば、朝ごはんまでに30分の朝勉強をするはずだ。
ご飯は食べたのか、
もう、塾に行く時間だ。遅れずに家を出られたか―――――。
お腹の空き具合で計る“腹時計”なるものの存在は私も日々実感するところではあるが、その存在を忘れてしまうくらいに、私の中の…“オミオミ時計”が一日中私から落ち着きを奪っていた。
そして、そんな私の様子を見かねたかのような連絡が入ったのは、オミオミが塾に到着する頃の時間だった。
秘書課の課長の携帯からの着信に私の身体は一瞬にして強張った。
“ベビーシッターの件ももう―――”
こんなにも早く現実を突きつけられることになるとは思っておらず、呼吸が浅くなるのを感じながら強張る指先で画面をタッチして電話に出た。
いつもと変わらないトーンで形式上の挨拶を交わした後、課長が改まって咳ばらいをした時、身体に緊張が走った。
「…君にはちょっと言いにくいんだけど―――」
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