5月末 小さな嫉妬ともう一人のいたずらっ子

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そんな事されたら… せっかくいい感じにまわった酔いが醒めてしまう…。 私が明確な返事をしないまま、副社長は慣れたように会計をした。 すると、その時…… 急に店の出入り口が騒がしくなった。 会計をしているスタッフも、視線を出入り口に向けて気にしている。 フロアからは別のスタッフが様子を見に行くためか、足早にフロアを横切った。 「何か…あったんでしょうか…?」 「さあ」と首を傾げながら副社長は私の手を握り、 「何かあったら危ないから」と微笑んだ。 「あの…何かあったんですか?」 店を出る前にドア付近にいたスタッフに尋ねてみる。 「いえ、もう大丈夫です。お気をつけて」 スタッフに微笑み返され、腑に落ちないまま店を出た。 …絶対、何かあったはず…… 「…不審者でもいたんですかね?」
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