5月末 小さな嫉妬ともう一人のいたずらっ子

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私は目を細めてオミオミの手元に顔を近づけた。 「…保護者…パス……」 ん? 「オミオミが…持ってたの!?」 「だって、俺の家、こういうの必要ねえし。実際、今まで一回も使ったことねえし」 …それは…… 今までは…そうだったんだんだ… 「センコーから聞いた。明日、コイツ(兄)とお前でこれのために学校来るって」 「…あ、うん。その予定だったけど…」 「断っといたから」 「え?」 「だって、これあるし」 「あるし…って…だったら最初から言ってよね!? そのために奥村さんや社長にもいろいろ…副社長なんて、明日無理なお願いしてたのに――」 「だからだよ」 「は?」 「なんでこんなものがそんなに欲しいのか知んねえけど、こんなもののためにコイツ(兄)とこんなことしてんじゃねえよ」
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