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5
「じょ、ジョーイ……タチバナ、です」
宿に戻って、みんなに紹介した。
その時、ジョーイは水をかけられた炭のようにしょげ返っていた。
服装はスーツ。子供サイズでぴったりなのがテーラーにあったので、それをエイシスが自腹で出す。
そして顔には、リゼとお揃いの黒いアイマスク。
「ダッセ! こいつの眼帯。超ダッセ!」
「お前、よくそこを笑えたな……」
アイマスクが、他人のアイマスクを笑う。ギブリが呆れていた。
そして、アルトもまた笑った。
エイシスが連れてくるなり、その覆面少年を見てずっと笑い続けている。
口を両手で押さえて、可愛らしく笑う。
そこにリゼが渾身のボケツッコミを入れたので、顔を真っ赤にしてくつくつと笑った。
そして、急に目に笑い涙をいっぱい溜めて、久しぶりに再会した弟を両腕で思いきり抱きしめたのだった。
彼らの旅は、これから始まったばかりである。
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