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はじまりのはじまり
気がつくと夜、何故かぼーっとブランコに座っている。
上下灰色のスエットを着ていて、普段寝巻き用に使っている服だった。
はっと、何でこんな格好で外に出てきてしまったのか。
慌てて周りを見渡す。
周りは人一人いない。何の音もしない。『無』と言うのはこういう事なんだろうか。
冬になろうとしている頃で、少し肌寒く、はぁ〜と吐く息が白くなる。
誰もいない静けさに寒気を感じながら、ふと空を見上げると、大きな黒い鳥が飛んでいる。
羽をひろげて飛んでいる姿は、真上を低空飛行で飛んでいる飛行機のようにとても巨大で、何十羽も綺麗に列を成して飛んでいる。
真上を飛んでいるのに、何の音もしない。
その風景に別の世界にも思える。
私は死んだのか?
怖い気持ちはあるけど、とても不思議な気持ちがした。
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