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少女
どこの街なのだろう。周りは湖があり、その湖を囲むように家々が建ててある。
家に通っている道を抜けて坂道を登ると丘の上にお城があった。
お城は白い建物で、庭には色々な種類の花が我こそはと、競うように咲いている。
私は、また夢の世界にきてしまった。
視線を感じて目を向ける。
横には見上げている少女がいた。
少女はクリっとした目で、水色の透き通った瞳をしている。
自分の夢ながら、おとぎ話に来たような設定で自分の想像力にはびっくりさせられる。
「あなたは誰?変わったお洋服を着てるね。」そう言って少女はニコッと微笑んだ。
『そうかな?最近流行りの服だよ?』と私はとぼけた事を苦し紛れに言った。
少女は、そうなんだ。と信じて、流行りと言う言葉に凄く敏感に反応した。
「あなた、街から来たの?街ってどんな所なの?」と目をキラキラ輝かせて興味津々に聞いてくる。
私は、何と答えていいのかも分からず軽い咳払いをした。
『坂道を下れば直ぐなのに、街に行ったことないの?』と疑問に思って聞いた。
「うん。このお城に仕えてる召使いは外に出てはいけないんだ。」とニコリと笑った。
少女がどうして笑っているのか不思議でならなかったが、色々な話をしてくれた。
少女は貧しくて、お城に仕えるしかなかったが、ひもじい思いもしないし。自分の仕事が終われば自由な時間もあってこっちの方が楽しい。と幸せそうに話していた。
そして、私達は芝生に座り、少女は自由時間はどう過ごしているとか、趣味の話に盛り上がった。
少女は、自由時間は空を眺めて、風を感じて、心に響いたものや綺麗な景色、今幸せだという気持ちを詩にのせている。
空はきれいなブルー空には白い雲。
そして、太陽が輝いている。
空は澄んでいて、みていると落ち着かせてくれる色。
気分がさえない時にみると、
スカッと爽やかな気持ちになる、そんな色。
雲は日によって顔色をかえる。
穏やかな時はそっと青い空に寄り添ってプカプカと浮いて気持ち良さそう。
気分が悪い時は空中広がって、白から黒に顔色がかわる。
そうすると、
空もお手上げ。時には涙を流したり、恐ろしい槍を地上に落としたりする。
そう。人と同じ。
少女の詩と共に気持ちいい風が吹き抜けていく。
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