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二人
私は、彼を愛している。
彼も私の事を愛してくれている。
私達の愛はどうして認めて貰らえないのだろう。
胸が苦しくて息が出来ない。
毎晩のように、彼への愛しさが募るばかりで、枕を濡らす。
コツコツと、窓を叩く音がする。
私は、音が聞こえないように古く滑りが悪い窓を開ける。
四郎がヒョイと窓から入ってくる。
「あき、会いたかった。どうしたの、また、泣いてたのか。」と四郎が涙を拭う。
『私も会いたくて、会いたくて、毎日胸が苦しいのです。』
四郎は悲しそうにしながら、私にそっと寄り添い、頭を撫でる。
「今は難しいかもしれないけど、ちゃんと認めて貰えるようにするから。信じて欲しい」
そう言って抱きしめる。
四郎に抱きしめられるとふっと力が抜けて、張り詰めていた気持ちが溶けていく。
私はだだ、今は、周りに悟られないように信じる。
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