夢と現実の間

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夢と現実の間

最近は毎日のように夢の中にいる。 最初は、目が覚めたら夢だったとわかったが、今は夢の中だとわかる。 それは、凄くリアルで、普段の自分とはまた違う人物になっているからだ。 だけど、普段の現実よりも、夢の中の世界の方が気持ちよくて居心地がいい。 今の私はあきだ。連続で同じ人物というのは少し不思議だけど、四郎にも会えると思うと心が踊る。 今日は、久しぶりに四郎に会える。二人で遠くへ出かけようと約束した。数日一緒に居られる。 待ち合わせ場所は、二人が住んでいる街から出て少し歩いた所に あまり人が来ない寺があり、そこで待ち合わせて行く事になっている。 寺は、鳥居を潜ると大きな杉の木が立っていて、二人にとっては癒しであり、憩いの場所だった。今まで夜な夜な会っていた。 近所の住民からはここの寺は不気味だとか噂が流れていて、その噂は人影があった。とか、白い服を着た女が歩いていただとか、噂が広まっていた。 実際は、私が夜に会った時にたまたま白い服を着ていた事もあり、近所の誰かが、変な噂を流したのだとすぐにわかった。 しかし、噂がもっと独り歩きしてくれていた方が二人にとっては好都合で、たまにわざと白い着物を着ていったりもした。 白い着物をきて、髪の毛を下ろして会いに行った時には四郎に笑われた。 「あき、いくら何でもそれはやりすぎではないか?」とお腹を抱え、大声で笑ってしまいそうな所を必死で堪えている。 『ふん!人が来ない方がいいじゃない。』と少し腹がたつ。 拗ねている私をみて笑いながら手を繋ぐ。「そうだな。」と微笑みながら四郎に見つめられると許してしまう。 不思議だ。 四郎との日々を過ごせば過ごす程、ずっと一緒にいたい、離れたくない。と気持ちが大きくなってゆく。
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