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「っ、美味しいわ」  膨らみ続ける泡をペロリと舐めた私は、思わず感嘆の声を漏らしてしまう。最初の味見の時とは違う、コクと深みのある味わい。  もしして、 「混ぜるほど美味しくなるのかしら?」  根拠のない仮定を信じて、泡立てを続ける。 「うん、やっぱり美味しくなっているわ」  しばらく混ぜた後、再び味見をした私は、メレンゲの仕組みを理解したつもりになって、嬉しくなった。  それに、メレンゲは殆ど泡みたいなものだと思っていたけれど意外と満腹感が得られる。    どんどん増えるメレンゲが美味しくて、お腹も膨らむ。もしかして、私なら食糧難を解決できるんじゃないかしら。
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