青也

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 真白のことを愛していた、本当に、ずっと。  一生一緒にいたいのは真白だと思った。  そうでなきゃプロポーズなんかしない。  はにかむような笑顔も愛しいし、真白の作るご飯も美味しいし、趣味だってあってた。  同じ推しのアーティストのライブだって二人で5回は行ったよね?  好きな野球チームは違っていて、それでちょっとケンカになったりもすれど。  時々旅行に行ったり、星を見に行ったりすれば、いつだって笑い合えて何でも話し合えた。  俺たちはずっと同じ方向を見て歩いてた、そう自惚れていたのは自分だけだったみたいだ。  全部俺の独りよがり?  頬にあたった雫に空を見上げた。  まだ夕方でもないのに仄暗(ほのぐら)いな、と思っていたら。  ボタボタと大粒の雨が頭に手の甲にとあたりはじめ、それが見る見るうちに道路を黒くまだらに染めていく。  傘なんて持ってない、いつもそう、天気予報なんて見ないから。  すぐに服を着たままシャワーを浴びているようにな状態になった。  小走りに(ひさし)を探す人たちの中で俺だけがジャブジャブと歩く姿は異様なのかもしれない。  だけど、んだ。  。  溢れて落ちるものは頬上で雨と混じり合いそのまま流れ落ちていく。  30歳過ぎた男がこんなにわんわん号泣していたら、きっと動画を撮られてヤバイやつがいるとアップされかねないから。  この雨は丁度いい、隠してくれる。  恨みがましい思いや悔しくて悲しくて行き場のない思いも全部全部洗い流してくれるでしょ。
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