2話 無茶ぶり

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 年上OLと年下眼鏡男子との恋を描いたものだった。  ふむふむ。  二人は同じ会社で働いてて、彼は年下の部下。  眼鏡をかけてて、外すとイケメンで、頼りがいがあって優しい。  仕事のトラブルを一緒に考えてくれて、次々と解決していってくれるんだ。  うーん。この年下キャラに癒される。  普段はしっかりしてるのに、眼鏡を外すと甘えん坊になるギャップがいい。  中々面白いじゃない。  あれ?二話目までしかない。  続きはないの? 「何やってるんですか!」  いきなり森山君の顔があった。 「ちょっと、勝手に」  森山君にシナリオを取り上げられた。  恥ずかしそうな顔をしてる。  もしかしてこのシナリオは……。 「森山君が書いたの?」 「……そうですけど」  気まずそうに森山君が鼻の頭をかく。 「続きはないの?面白かったよ」 「ありませんよ。これはただの練習なんですから」 「えー、もったいない。続き読みたいよ。これなら……」  ハッとした。 「森山君、これ使おう!このシナリオ面白いよ!二話まで出来てるし」  これでライター問題が解決する。 「な、何言ってるんですか。普通のオフィスラブですよ」 「オフィスラブこそ王道だよ!みんなが欲しがってるのは可愛い年下のイケメンとの話なんだから」 「いや、それは春川さんが読みたいだけでしょう」 「10年この仕事をして来たからわかる。このシナリオは当たる!」
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