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「急に、何を言い出すのよ」
「だって全然、自分の魅力をわかってないようだから」
「魅力?」
「春川さん、自分で思ってるよりいい女ですよ」
「やめてよ」
恥ずかしくて、森山君の顔が見れなくなった。
「春川さん」
優しい声で呼ばれた。
森山君が起き上がって、覆いかぶさってくる。
そしてそのまま唇が重なった。
重なった瞬間、頭が溶ける。
柔らかな唇が器用に動いて、私の中に入ってくる。
舌が絡んで、どんどんキスが深くなる。
森山君のディープキスから逃げられない。
「ダメだって、ダメ……」
抵抗するけど、全く力は入らない。
「その顔が堪らないんです」
唇を離して、じっと森山君がこっちを見下ろす。
「こんなに魅力的なのに」
森山君の人さし指がそっと私の唇を撫でる。
「今すぐ欲しいって思うぐらい」
「誘惑しないで。森山君のキスに弱いんだから」
「誘惑したくなります。でも楽しみは後にとっておきますから」
森山君がクスリと笑って、ベッドから起き上がった。
「仕事しますか」
その言葉にほっとした。
だけど、楽しみは後にとって置くってどういう事?
やっぱり襲う気?
「始めますよ」
眼鏡をかけた森山君が険しい表情を浮かべた。
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