3話 缶詰になります。

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「急に、何を言い出すのよ」 「だって全然、自分の魅力をわかってないようだから」 「魅力?」 「春川さん、自分で思ってるよりいい女ですよ」 「やめてよ」  恥ずかしくて、森山君の顔が見れなくなった。 「春川さん」  優しい声で呼ばれた。  森山君が起き上がって、覆いかぶさってくる。  そしてそのまま唇が重なった。  重なった瞬間、頭が溶ける。  柔らかな唇が器用に動いて、私の中に入ってくる。  舌が絡んで、どんどんキスが深くなる。  森山君のディープキスから逃げられない。 「ダメだって、ダメ……」  抵抗するけど、全く力は入らない。 「その顔が堪らないんです」  唇を離して、じっと森山君がこっちを見下ろす。 「こんなに魅力的なのに」  森山君の人さし指がそっと私の唇を撫でる。 「今すぐ欲しいって思うぐらい」 「誘惑しないで。森山君のキスに弱いんだから」 「誘惑したくなります。でも楽しみは後にとっておきますから」  森山君がクスリと笑って、ベッドから起き上がった。 「仕事しますか」  その言葉にほっとした。  だけど、楽しみは後にとって置くってどういう事?  やっぱり襲う気? 「始めますよ」  眼鏡をかけた森山君が険しい表情を浮かべた。
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