3話 缶詰になります。

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 熱いお湯に浸りにながらぼーっとする。  お風呂は至福の時間。  ぼんやりと湯気を眺めながら新井さんの事が浮かんだ。  新井さんって可愛いよね。  彼女がうちの課に来た時、男性社員は嬉しそうだったもんな。  ウェストは細いし、そこそこ胸はあるし。  髪型もいつも女性らしくまとまってるし。  お化粧もパッチリお目目で可愛いし。  誰に対しても感じは良くて、笑顔も素敵だし。  しかもまだ23だし。  やっぱ若い子がいいよね。森山君も。  30過ぎのおばさんといるよりいいよね。  あんな可愛い子に誘われれば気分転換に散歩に行きたくなるよね。  はあぁ。  新井さんはおへそが隠れる程のデカパンなんて絶対にはかないんだろうな。  バスタブの中に視線を落とすと、ぽっこりとした自分のお腹が目についた。  こんなぷよぷよした物、森山君に見せられない。  自分の考えにびっくりした。  森山君に見せるって、何を考えてるんだ。私は。    ありえない。  森山君とはそういう関係には絶対にならない。  最近はちょっとキスとかしてあれだけど……。  なんであんなに気持ちいいキスが出来るんだろう。  舌とか絡まって、凄く感じちゃう。  今思うと、大学時代の彼氏はそんなにキス上手くなかったな。  そう思うのは森山君のキスを知ったからかな……。  森山君、今頃、新井さんとキスしてたりして……。  二人のキスシーンが浮かんで、お腹が痛くなる。  もう、出よう。  バスタブから上がって、バスローブを着た。  髪を拭いていると、インターホンが鳴った気がした。
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