4話 缶詰2日目 恋人代用品。

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 頭をぶんぶん振って、妄想を打ち消す。 「えーと、手をつなぐぐらいかな」  森山君がやや不満そうな表情を浮かべた。 「キスは?」 「えっ、キス……」  鼓動が早くなる。 「いいですよね?一日一回ぐらいは」  一日一回……。なんて、ハードルが高いの。  あんな気持ちいいキスされたら理性が吹き飛ぶよ。 「えーと、その、唇以外だったら」 「唇はダメなんですか?」 「だ、ダメです」 「どうして?」 「だって、気持ち良過ぎるから」  次の瞬間、森山君の両手が私の顔を挟むように持ち上げた。  やや強引に顔を向けさせられる。 「葵さん、顔、真っ赤」  森山君が小さく笑った。 「いじめないで」 「可愛い人だ」 「可愛くなんてありません」 「今は可愛い恋人になって下さい」  森山君の顔が近づく。  唇と唇が触れそうな距離まで近づいて……。  ドンッ!  背中に強い衝撃を受けた。
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