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「つまり、夏目さんの胸に飛び込んでみたらどうですか?」
「えっ」
「あの元彼の後に好きになったのは夏目さんなんでしょ?」
「うん、まあ」
「恋人の代用品をお願いしていますが、あくまで代用品なので春川さんは本命の恋を追いかけて下さい。俺とはシナリオを書いている間だけの恋人で構いませんから」
「怒ったの?デートの約束をすっぽかしたから」
「怒ってませんよ」
森山君が穏やかに笑った。
「春川さんには幸せになってもらいたいんです。だから同僚として夏目さんとの恋を応援したいんです。今日のシナリオも書き終わったし、恋人のお仕事も今日は終わりで大丈夫ですから」
「恋人って仕事だったんだ」
「仕事の一部です。その方が割り切れていいですから。その日のシナリオが書き終わったら恋人時間も終わりにしましょう。俺だって会いたい女の人がいますし」
会いたい女の人……。
それって……
「森山君も片思いの人がいるって事?」
「そうですよ」
ショックだった。
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