781人が本棚に入れています
本棚に追加
5話 缶詰3日目 傘の人。
夏目さんと二人きりのご飯は楽しかった。銀座でお寿司を食べて、お酒を飲んで仕事の事とか、学生時代の事とか、いろんな話をした。
二人きりというのは緊張したけど、それはほんの5分ぐらいで、夏目さんの話に笑っていたら、自然とそんな気持ちもなくなっていた。
本当に楽しい時間だったけど……。
森山君の事が頭から離れなかった。楽しく笑っている時でさえ、片思いの相手に会ってるんだろうかとか、私の見た事のない楽しそうな表情を浮かべているんだろうかとか考えてしまった。
会いに行って来てなんて焚きつけといて、本当は会って欲しくなかった。
これは嫉妬だ。
森山君を独占したいと思ってる。
そもそもあのキスがいけないのよ。
あんなに気持ちいいキスをするから頭から離れなくなるのよ。
昨夜、キスをOKするんじゃなかった。
せっかくの夏目さんとの夜だったのに、意識の半分は森山君の所に飛んでいた。
自分でもよくわからなくなってる。
これが恋なのかどうか。
好きってどういう気持ちを言うんだろう。
会いたいって思う気持ち?
触れたいって思う気持ち?
独占したい気持ち?
一層の事、森山君と身体の関係を結んでしまったらハッキリするのかな?
際どい考えにハッとした。
朝から何考えてるんだろう。
支度しなきゃ。今日も9時からシナリオ書きが始まるんだった。
最初のコメントを投稿しよう!