火炎放射器(ホラー詩集)より

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洞穴に15人の教師と生徒が隠れていた。粟兵は火炎放射器で次々と蒸し焼きにしていった。 生徒たちは恐怖と空腹でガタガタ震えていた。もう一週間物を食っていなかった。 仕方ない、次は次郎だ。名指しされた少年は大声で泣き出した。そこへ女生徒が間に入った。 次郎を食うなら私からにして。少女は痩せた胸を露わにした。少年たちの目がギラギラとした。 年長の少年がやっちまえと叫んで少女に襲い掛かった。 そこを教師が止めに入った。くじ引きだからな。神様が次は次郎だと仰っているのだ。 少女は今度は下着を脱ごうとした。教師は少女を穴の奥へ突き飛ばした。 教師は「歯を食いしばれ」と次郎に言ってナイフで首を裂いた。吹き上がる血に少年たちが群がった。 渇き切っていたのだ。彼らは次郎の首にむしゃぶりついた。 美味い。これほど美味いものがこの世にあったのか。そんな様子で次郎の首はもがれた。 汚い衣服を脱がして腹わたを引き裂き腸を引きずり出した。皮だけでなく中身もすすって美味い、美味いと味わった。 半時間ほどで次郎はあらかた骨だけになった。 そこへ先ほどの女子生徒が次郎の頭蓋骨を石で割りぐちゃぐちゃの脳味噌を啜り始めた。少女は泣いていた。 飢えと渇きと脳味噌を天秤にかけていたのだ。 少女はカスまで舐め尽くして満足げだった。すると急に自分の腹をナイフで突き刺し始めた。 「こんなものがあるからいけないのよ、肉体がなくなれば飢えもなくなるのよ」 最初は驚いていた少年たちは少女を裸にひん剥き、あそこを引き裂き子宮を抜き出しむしゃぶりついた。 少女も半時間ほどであらかた骨となった。少年と教師はお互いの顔にへばりついた肉と血を舐め尽くした。 これで何日か飢えと渇きは耐えられる。少年たちの誰からともなく笑い声が広がり洞穴中に広がった。 その笑いに気づいた粟兵の小隊が火炎放射器を洞穴中に噴射して全て焼き払った。肉の匂いが漂っていた。
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