私の青春

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私の青春

 ずっーと考えてます。私、やりたい事とか、就きたい職業とかないんです。よく考えたら、それって凄い怖い事なんじゃないかって思うようになりました。  何となく生きるってきっと、たくさんの人がそうしてるんだろうなとも思います。だってよくわかんないです。そんな生き方だって、自分が選んだ道。間違いではないと思ったり。  でも、もったいないなと思うんです。折角の人生、何か遺したい。何かに夢中になって、いつもと違う何かを見てみたい。その何かを見つけられるか、見つけられないかが、きっと普通じゃないって事なのかなとか。ふと考えました。  でも、見つけられないんですよね。中々。続かなかったり。諦めちゃったり。私の場合は、見つけようともしてないんですけど・・  だから、まずは私がどうしたいか、どうなりたいか、どうありたいかを見つけるところから始めようと思います。目標・・というかゴールと言うか。  「その為の青春部!!やるぞー!!」  「・・・おー!」  「美咲!もっと元気よく!若いんだから!」  「突然どうしたのほんと・・青春部再興とかびっくりなんだけど」  美咲が半ば呆れた表情を浮かべながら私を見ています。  「この活動記録!読んだの!今年、卒業した2人が一年の時に青春部を立ち上げて、そこから卒業までに何をしていたのか!」  「それで?」  「したいこと、やりたいことはいーっぱいあるのに、ほとんど実行されてない事が判明しました!」  「例えば?」  【100人くらいで潮干狩りをして、たくさんアサリを獲ってきて、みんなで貝パーティー】  「な、何それ・・ただアサリ食べるだけじゃん」  「じゃこれは!?」  【100人で富士山に登って山頂で初日の出を見てながらコーヒーを飲む】  「他の登山客に迷惑だわ!それにおっさん臭い」  「んー・・じゃこれとか」  【どこか遠くに行って、誰も見たことのない景色を見る】  「ありがちだなー・・。どこに?誰も見たことのない景色って?」  「うーん・・確かに。ありがち」  「夢で終わらせないつもりならさ。やっぱ自分たちが本当にやりたい事を見つけなきゃダメだよ」  鋭い。その通りだと思います。なんだかんだ美咲ものってきたかな?  「だね!私もそう感じてた!」  「中学ん時さ。弥椰は覚えてないかもだけど・・」  「何??」  「自分が道を作るって言ってたよ」  道?なんの?全然覚えてない。  「そんな事言ってた??道?」  「私みたいに、何していいか分からなくて、どうしていいか分からない子たちが、一歩踏み出すきっかけになりたいって」  あっ・・  「私、変わる!って言ってた」  「言ってた・・かも」  私、思い出しました。その時読んでた小説に影響されて、このままじゃダメだ!変わらなきゃ!って。でも結局、どうしていいかわかんなくて・・心の底に閉まいこんだまま、今に至ります。  「何にも出来ないんじゃない。しようとしないだけだ、動こうとしないだけだ。って何度も声に出して言ってたし」  「・・みんなと同じ事をしていれば楽でいい。余計な事を考えずに済むから。俺からすれば、それって魂の死にしか見えないけど」    「そうそう。それも言ってたね」  そう。高槻雄大。彼が書いた小説です。青春する事を諦めない。何となく生きてた私の心を、力一杯殴って動かしてくれた、きっかけの始まりです。  「忘れてた。なんでだろ」  「どうする?」  「やりたい事を探す旅!きっとそれからだよ!ここからだよ!」  決めました。私、動き出します。 私がやりたい事を、なりたい私を見つける旅をします。答えが見つかるかなんてわかりません。変われないかもしれません。でも、やってみなくちゃわかりません。  「超アバウト・・」  「いいんだよ!それで!うん!」  「それに私も付き合わされる訳か」  「嫌?」    「・・まさか」  「よし!」  【クラブ・サークル・部申請書】と書かれた紙に「活動内容」とある。私はそこにマジックで書き込んだ。  「本当の自分と青春を探す旅をする!」
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