青春部!最高!

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青春部!最高!

 三高青春サークル活動二日目。当然ですが、昼休みに純連を部室に連れてきました!  「せ、生徒会の仕事が!」  「いいって!昼休みまでやりたくない事しなくても!」  「まぁそれはそうだけど・・強引過ぎ」  「しっしっし!」  純連と一緒に昼ごはんです。ひとりより三人!その方が美味しいです。  「放課後だけじゃなく昼休みまで生徒会の仕事してたんだね。それで生徒会室でひとりご飯だったんだ」  「一年生が私だけで・・他みんな上級生だから」  「辞めちゃえば!?」  「え?!」  「やりたくないんでしょ?辞めちゃえ!」  「で、でも・・」  「一年生だからって面倒事押しつけて、平気な顔してる様な先輩は先輩じゃないよ」  「弥揶、たまにイケメンみたいになるよな・・」  「・・私、頼まれたら断れなくて。流されるって言うか。生徒会に誘われた時もそうで・・。ダメだなって、断らなきゃって思っても口に出せなくて」  わかる。純連はそうです。昨日、私にまぐわり屋に誘われた時も、本当は行きたくなかったと思います。無理に付いて来てくれたのも分かってました。  いつもなら、初対面に近い人をいきなり誘うなんて出来ません。でもなぜか、純連は誘いたかったんです。きっと純連も、自分を変えたい!って思ってるんじゃないかと・・勝手に私の思いをぶつけてしまいました。  でも、間違いじゃなかった。そう感じています。  「純連!変わろう!一緒に!」  「え?」  「その為の青春部だよ!私も美咲も、今のままじゃダメだって!変わらなきゃって思ってる。自分を変えて、自分のやりたい事を見つけて走るっ!一緒にやろう!?走ろ!純連!」  「えっと・・私いつそんな熱量を?いつのまに?」  「弥揶・・」  「今日の放課後!生徒会長?誰に言えばいい?誰でもいいや!四ツ谷純連は生徒会を辞めて、青春部へ入部します!って言おう!」  「わ、私が!?」  「純連が!私達が付いてる!大丈夫!」  「超強引な引き抜き・・だけど」  純連が顔を赤くして俯きながらモジモジしています。私は例の如く、純連の両肩に手をおいて、純連の事を見つめながら待ちます。これ脅迫に近いですかね?  「うん・・私、やってみる!」  「うん!やってやろ!」  「ふふっ・・まぁ・・面白そう」    「四ツ谷さん?どうしたの?」  この人は我が三高生徒会長さんらしいです。女性だとは知りませんでした。純連を生徒会に引きずりこんだ張本人です。悪の枢軸です。  「あ、あの・・会長。私・・」  純連が一生懸命、声を震わせながら言い出す勇気を振り絞っています。それを腕組みしながら、面倒くさそうな表情で会長さんは見ています。  「何?てか後ろの二人は何?誰?」  何も言いませんでした。純連の言葉が先です。  「二人は・・私の友達です・・」  純連・・頑張れ!負けるな!言ってやれ!  「そ。なんかあるなら早くしてよ。忙しいの」  こんなのを生徒会長にしていいんです?何か間違ってませんか?  「私・・生徒会を辞めます」  純連!言えた!頑張ったね!えらい!  「なんで?」  我慢です。今はまだ。まだです。  「私は・・受付嬢じゃありません」  「はぁ・・あっそ。誘った時にも言ったけどさ。うちの生徒会はそういうしきたりなの。一年の間は受付係。二年になったら役員。三年で三役。伝統だから。それ了承した上で入会したんじゃん。大学入試にも有利になるって思ったからじゃん。勝手だね。まっいい・・」  もういいよね。これ以上、聞く必要ないよね。  「しきたり。伝統。そんな物で私の友達を、無理矢理入会させて縛らないでくれますか。純連の気持ち考えましたか?やりたくないって思ってないか考えましたか?生徒会長?ふざけんなよ。勝手はてめーだよ糞ババア」  私より先に美咲が切れたみたいです。言いたい事全部言ってくれました。さすがです。でも・・私、言いたかったーーー!  「いくよ!純連!」  「美咲!ありがとう・・」  美咲が純連の手を引いて走り出しました。なるほど。ここで私の役目ですね。シンガリってやつです! 「ちょ!誰がババ・・」 「とにかく。純連にもう関わらないでください。生徒会長なら、生徒の味方ですよね?生徒を守るのが会長ですよね?大学入試の為に仕方なくやってるのか知りませんけど・・柵から抜け出せず、18歳で人生終わらせた人に、私達は付いていきたくありません。さようなら」  それ逃げろー! はぁ・・はぁ・・純連!良く頑張ったね! 美咲!カッコよ過ぎ! 私達、青春し過ぎ!  「すみれー!みさきー!」 私は部室に飛び込みます。二人が泣きながら、でも笑顔で私を待っててくれました。  「二人とも・・ありがとう」  「もう!美咲いいとこ全部持ってきすぎ!」  「だって!いてもたってもいられないし!」  これが私達、三高青春部、最初の青春です!
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