喰らう

12/16
前へ
/193ページ
次へ
 モニターは水本が寝ている寝室が映っているだけであった。変化があるとすれば時折巡回して来る看護師が来るだけであり、普通に無理についている様にも見えた。 ーーーーーーーーしかし、三度目の巡回の時にそれは起こった。 「、、、、、、、、」  監視カメラのような物である為、音声は無かったが看護師が水本の何かに気がついた様子で話しかけながら近づいている様子が見て取れた。  それは一瞬の出来事であった。看護師が近づいたかと思うと急に崩れ落ちる様に倒れ込んだ。その間、蒼白く照らされた細い腕の様な物が見えたが、それも速すぎた為何をしたのかは解らなかった。  倒れた筈の看護師は、立ち上がると何かに憑りつかれたかのようにフラフラと立ち上がると、病室の外へと出て行ってしまった。  何が起こったのか解らないまま、暫く時間が経つと看護師はニワトリを掴んだまま病室に戻ってきた。そのままニワトリを水本の病室に置くと、再び看護師は倒れ込んだ後、まるで夢でも見ているかのように病室を出て行った。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加