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モニターは少しずつ歪んでいた。映像が進むにつれ歪みは激しくなって行き、最後にはモニターには何が映っているのか解らない状態まで歪んでしまった。
「どうなってるんだ。早く何とか直らんのか」
医師の一人がそう言った瞬間、モニターは突然元に戻ったようにも見えたが様子が違っていた。歪みが消えた瞬間、モニターにはまるで此方を窺うように巨大な目玉が此方を見回す様にグルグルと動いていた。
誰の目玉かは解らなかったが、一同は水本の目であると言う事を確信していた。
目玉がまるでモニターの向こう側を見通すかのようにジッとこちらを見つめていると突然、まるで電源が落ちたかのように、モニターが真っ黒になってしまった。
皆固唾をのんで見守っていた。水本であれば拘束具をつけられたまま何故動く事が出来るのか。そしてベッドと看護師の間から腕が見えたが、本当に拘束されていた水本の腕なのか。
「映った、、、、、、、あれ?」
そこに映し出されたのは、眠ったままの水本と静まり返った病室の状態であった。何時もの病室のようにも見えたが、薄暗い為解らなかったが掛け布団がニワトリの血で斑に赤くなっていた。
それに気が付くのは朝の巡回に来た看護師である。そこからは変わった様子も無かったが、結果としてどうしてそんな事が出来たのかは全く分からず仕舞いであった。
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