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それから、水本が発見されたのは一ヶ月後だった。川辺でまるで夢でも見ていたかのように、水面を一点に見つめている所で保護された。
頬はこけ顎から髭も伸び、髪は固くなり、痩せ細った手足は力なくぶら下がっていた。衣服は一ヶ月の間にただの布の様になっていた。生きているのが不思議な状態であった。
「大丈夫ですか!水本さんですよね。よく無事で、今すぐ助けますから」
それは発見された時の出来事だった。水本が地元の救助隊に発見されたにも関わらず、喜びも安堵の息をつく事もなくただ一言。
「あぁ、、、、、、また、、、来たか」
この時誰もが、水本は混乱し意識が混濁して居るのだと思い、急いで救助をとり行われた。水本にとってはこの言葉こそが彼の住む世界に変わっていた。
病院に運ばれ、何人もの医師に囲ま荒れながら集中治療室に運ばれたが、外傷は殆ど無かった為、一般病棟に運ばれるまでは早かったがマスコミ関係者が沢山居た為、個室から出られる事は無かった。
しかし、それは外的要因に過ぎなかった。一番の本当の問題は水本自身であった。
うわ言のように”ノドガカワク”と言い、しきりに看護師や医師に向かって噛みついたり暴れ回ったりしてきた。あまりの状態に最後には拘束具をつけなければ看護する事も出来ない程であった。
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