36人が本棚に入れています
本棚に追加
「水本さん、検診のお時間ですよ」
そう言い男性看護師が中に入った。いつもと同じように見えた病室内だったが、天井から伸びるそれに気が付いた瞬間、悲鳴が上がっていた。
「な、なん、、、、血が、何か死ん、死んでる!!」
腰を抜かした看護師は、這うようにして病室を出ながら助けを呼んだ。水本の寝ていた天井から吊り下げる様にして垂れていたそれは、何かの臓物であった。
それが動物だったのか、それとも肉屋から盗んだ腸の一部なのかは解らなかったが、天井から吊り下げられるようにして垂れていた臓物は血が滴り、まだ血が渇ききっていない所を見ると、どうにもまだ抜かれたばかりの様であった。
「ウンア、、、、ウエ、、、、」
その血を拘束具をつけられたままの水本は這うようにして、口を開け血を飲んでいた。病室内にはむせ返るような血の臭いが充満してはいたが、死骸の様な物は見当たらなかった。
「何だこの惨状は、水本さん!貴方がやったんですか!」
専任の医師がそう言うと、すぐさま水本の頭上にあった臓物を取り払った。しかし、これはおかしな出来事の一端にすぎなかった。
最初のコメントを投稿しよう!