許されるのなら

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 翌日、結局わたしたちは恭平さんの運転でわたしの家に向かった。  恭平さんはまたスーツを着ている。  早速わたしの両親に結婚の許可をもらうのだと張り切って。  オカンには電話で「恭平さんから話があるから、お父さんに今日家にずっといてって伝えて」とだけ言っておいた。  喧嘩していたと思ったらいきなり結婚だなんて、驚くだろうなあ。  わたしだってまだ、ちっとも実感がないもの。 「大きな商談よりも緊張するな…」  玄関の前で恭平さんがぽつりとつぶやいた。 「んふふ~、大丈夫ですって!きっと両親とも大喜びすると思いますよ?」  そう思っていたのに、和室で向い合せに座ったお父さんの表情は思いのほか険しかった。  恭平さんは緊張した面持ちで、今回のわたしたちの喧嘩のことを改めて謝罪して、仲直りしたことを報告したあと、深々と頭を下げた。 「佳織さんのことを必ず幸せにします。佳織さんと結婚させてください」  隣で土下座している恭平さんと、怖い顔で黙っているお父さんと、妙な顔で黙ったままのオカンを見比べて、こういう時って、わたしも頭下げたほうがいいの?と戸惑いながら、そうすることにした。 「わたしも恭平さんと結婚したいです。お願いします」  なんで自分の親に敬語使ってるんだろうか。  ふうっ、とお父さんが息を吐くのが聞こえた。 「きみに大事な娘をやるわけにはいかない。出直してきなさい」  えぇぇぇぇぇっ!?  お父さん、何言ってんの!?
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