魔女の本領発揮

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「プリンター、壊したんだって?」  そこへ北川さんが笑いながら登場した。 「壊したんじゃなくて、壊れたんです!わたし、知りませんからっ!」  どうやらもう部内では、『三浦が壊した』で確定しているらしい。 「しばらく他のプリンター使ってください。メーカーに問い合わせますから」  下田さん、てきぱきしてて頼りになるわぁ~と感心したのは、そこまでだった。 「とりあえず、頭下げよう、三浦さん。教育係の責任として私も一緒に頭下げるからさ」  だ~か~らあぁぁぁ、知らないって言ってるでしょうが! 「いや、だから、わたしのせいじゃないんですけど?」 「そんなわがまま言わないの」  下田さんが大げさに顔をしかめる。  なに急に、サバサバ系お姉さまみたいになってるのよぅ。あんた北川さんのストーカーのくせにっ!  北川さんは、そんなわたしたちのことをニヤニヤ笑っておもしろそうに眺めていて、妙に腹が立った。 「やってもいないことをやったことにされて、誰も信じてくれなくて、そんな目に遭って困ってるわたしをニヤニヤ眺めてるだけなんて…何が楽しいの?」  わたしの低い声に、北川さんはハッとした顔をして固まった。   その隙に走り出したわたしの背中に、下田さんが「どこ行くの!?」と言い、わたしは一瞬振り返って「トイレ!」と叫ぶように言ってフロアを飛び出した。  
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