3 きっとあなた起き、る

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この研修会場で、何事にもスマートに、 完璧に、仕事をこなしていたマリンの 管理会社への出向は、 ココのstaffたちをザワつかせた。 とくに、マリンと同じ年の結奈は… 研修会場floorの、通路端にある給湯室では、 乃里に向かい、結奈が愚痴っている。 「乃里さん!🐎  コーヒーは気にしなくて  良いですから  聴いてください!」 🐎 🐎… マリンは、ココでも活躍し、高井に認められ た優秀な社員だったが、今回のマリンの出向 で、同じ年なのに、なかなか、一人前に認め られていないように、自分では、感じてしま った結奈は落ち込んでいる。 そんな、真顔で、自分に愚痴ってくる結奈の、 手にしているマグカップのコーヒーが零れな いかと覗き込む乃里に、結奈は、もどかしく なって、さらに、突っ込んだ。🐎 🐎 「ダ・カ・ラ、乃里さん!🐎 🐎  コーヒーは大丈夫ですから!  なんだか、私、  若くないんですけど、  社会人5年目!      🐎なんですけど、 『ゆるキャラみたい』って  言われているみたいで…」🐎 ☆彡 🐎 「同じ社会人5年目の、  あっ!🐎  🐎 🐎  彼女は社員で、  主任さんですケレド、  私はフリーランスですけど…、  なんか、差が、🐎 🐎🐎…  出ちゃってませんか?」🐎―‼🐎 結奈は、 マグカップを両手でしっかりと 握りしめ、零れないようにしたが、 そんな、 コーヒーが冷めてしまうのも気にしな いで、喋りまくる。 いまは、 「ゆるキャラ」との感じでもなく…、 駆け出した🐎 のように勢いよく🐎~! ヒッヒィーン!っと鼻息も荒く、🐎‼ 童顔の原因の、ハッキリ二重のまあるい 大きな目を、さらに大きく、 まあるく見開いて、乃里をミツメル。       「え~?        そう、か、な…」🐎… 乃里は自分のマグカップに、たっぷりと ミルクを入れてから、コーヒーを加えて ☕カフェオレにしたが、 ミルクが多すぎて、かなりヌルく、 なってしまい、 結奈のグチに相づちを打ちながらも、 そんなカフェオレを味わうのではなく、 グビグビッと、飲めてしまったので…、 ラテにすれば良かったと後悔しながら掌を パーに広げて、…!🐎 🐎「待て!」っと、 指示✋を出すように、 結奈の方へ向けると、 時間稼ぎのように、ゆっくりと、 もう一杯、 結局、エスプレッソではなく、 カプセルコーヒーを選び、 その微妙なブラックコーヒーを、 チビチビ飲みながら、再び、 結奈の話に 突っ込みを入れようとしたが、 「だって‼ 🐎 ~! 『ゆるキャラみたい』って、  これって…、  誉め言葉ですか⁉ 🐎 🐎 🐎それとも、私が、キリっ!  としてないってことですか⁉ 🐎✨ キッチリ!仕事を、  頑張ってるのに、🐎〰 🐎… ショックなんですぅ!」🐎―!🐎 結奈はマグカップを握りしめたまま、 躰を左右に揺らすので、またまた、 コーヒーが零れないか、 乃里にはそっちの方が心配だが、 ゼンゼン、🐎~!  🐎… 気にせずに興奮したままなので、            「そうね…」 乃里は、結奈の気を紛らわそうと、 結奈の顔の近くに自分の顔を寄せ、 マグカップを持っていない、左手で 「ヒトツ」を意味するように👆人差し指 を立てて、結奈の膨らんだほっぺを、 その人差し指で 👈突いた。 「カワイイじゃん!         結奈のこのカンジ💛」 乃里は、お姉さんぶって、結奈を揶揄う。 『プンプン!』🐎.。o○ 🐎 結奈の頬はまた膨らむ、 「もー、止めてください‼ 🐎✖ ❕🐎  私、大人ですよ!  それに、外見で判断されるの、  嫌いです!私だって、  スゴ~っく‼  チャンと、してるんです! 🐎自分にできる事や、  仕事にプラスになることは、  人に云われなくても、  自分から動きますぅ!🐎 🐎 ⇔🐎     🐎 .。o○ 🐎『プンプン!』 そして、 結奈は、イジケタ。 ゼンゼン、気分が収まらないようだ。 「ハイハイ!」    乃里は、優しい笑みを浮かべる。 「 まぁ…、  これからだっていいじゃん!  まだまだ、ココの仕事、  スタートしたばかりだし…、  あっ!  良いこと教えてあげる!…」          『グビっ!』☕ そう云いながらも、乃里はモッタイぶって、 ☕を一口、ワザとゆっくり口へ運んだ。 🐎 🐎 🐎 🐄 🐄 🐄 「もぉー!なんですか!」       🐄  🐎 🐎 🐎 結奈は、怪訝そうに、乃里に突っかかる。 …ドウドウ…✋        🐎…「まぁまぁ…」 🐎  🐎... っと、乃里は掌を結奈に向け、 勢いを鎮めようと、🐎 🐎…  掌をパタパタさせた。 「…あのね…、  内緒だけど…、  新人2人、入るって!」 乃里の情報通は確かだ。いつの間にか、 こんな事まで知っているなんて。 こんなに、油断がならない乃里なのに、 そこには、気が回らない結奈は、 🐎  🐎 🐎  🐤 🐤 「2人も入るんですか?  それって、ヤッパリ、  マリンさんが凄かったから、  その穴を埋めるのには、 『2人も!』って、🐤🐤  GMが判断したんですよね…」🐎 🐎… 「…やっぱり、  マリンさんはGMに、  しっかりと、  認められてたんだ…、  私、建設部の仕事に    かえようかな…」🐎…   🐎 結奈は、同じ年のマリンとの差を、余計に、 この、乃里の一言で感じてしまった。 結奈は、自分が手にしていたマグカップの コーヒーがまだ残っているのに、サッサと 洗い流して、肩を下げて、トボトボと、 独りで 離れていく。🐎  🐎…  🐎            「Whoa!」📍 「えぇ~!結奈、  待ってよ、あのね…、  ダ・カ・ラ!  新人が入るってことはさぁ…、  結奈が、先輩になるって事でしょ!  新人の面倒を見ながら、🐓 🐤🐤  頑張れば、結奈の実力が、  もっと、もっと出せて、  認められるチャンスじゃん!」 乃里は焦って、なんとか、結奈を励ました。 🐎… 「...そうですか?」        …🐎 🐎 結奈は、立ち止まり乃里の方へ振り返った。 少し、聴く耳を持った? 「ねっ!『認められる』  チャンス☆は、  これからだってあるよ!」 乃里は、妹のような結奈に抱き着いて、 背中を優しくなでた。                 ✋…ドウドウ… 「...はい」 ...🐎 この研修会場は、 女性だけの職場。 女性だけの職場にも、 いろいろな事がある… この日の夕方…、 高井の車は、茉由を乗せ 新宿へ向かった。 新宿の高層ビル群を抜けると、 急に、視界が開けて緑が目に入る。 高井は、営業本部の本部長になる前までは、 マンションギャラリーから、マンションギャ ラリーへと、グルグル廻る仕事をしていたの で、今の仕事、本社でのデスクワークが続く と息がつまる。 この新宿は、最近、高井が訪れていた処で、 なんの仕事か、開発部が入っている新宿支 店へ、高井は度々、足を運んでいた。 そんなとき、走らせた車から見えた、この 公園は、気になっていたようで、もう、 少し、寒い季節なのに、夕方の、 肌寒い公園内を、茉由を連れて歩く。 ここ、新宿中央公園は、都会のオアシス。 高層ビル群をバックに、二人は、公園の中を 進むと、 魅せる芝生が、この季節でもまだ美しく目の 前に広がるデッキテラスのベンチに高井は腰 かけた。 こんなに、背の高いビルが並んでいる中に、 こんなに、フラットに広がる緑には癒される。 そんな穏やかな高井の顔に安心して、茉由も 横に腰かけた。 「今度、研修会場に、  新人2人を入れる。  マリンの出向の後、   大変だっただろ…」 高井は茉由を心配するように話しかけた。 「2人とも、  不動産の仕事は始めて  のようだが、1人は、  接客の経験があって、  メガネの接客販売をして  いたらしい。駅頭の、  ティッシュ配りも     得意なんだとか…」              …エッ⁉… 茉由は少し、タイミングがずれてから驚く。 研修会場の現状を考えると、新人だろうが、 他業種出身だろうが、もぉ~!誰でもOK デス、の、カンジで、高井の話を、 眼をクリクリさせながら、耳をゾウのよう に大きくした。 「これは… いままで、  外に頼んでいたから、  接客担当のマナー研修の時には、  この件も、話をしておけ、  接客担当が  できるようにするんだ、  そのためにも、     コイツはツカエル」               「...❔…」 茉由はキョトンとしたが、話を止めない様に 肯くだけにした。 「もう1人は、  職場の販売促進会議にも出て、  自分の意見を言っていたようだ。  コイツは…  企画のマンネリ化の解消にも    善いのかも、しれないな…」 高井は、珍しく人を褒めた?かと思ったのだ が、すかさず、その言葉を自分で保留にする。 「まぁ、  まだ、2人とも、  社会人としては、  ひよっ子だがな…」              「…はい」 茉由は、staffが増えるのは、とても助かる。 急なマリンの出向で、すぐに人を探すのは、 さすがに高井でも、大変だった事だろう し、せっかくの話なのだから、はやく、 この2人が来てくれる事を楽しみにした。 「そう… この、2人、  友人関係らしいが、  おかしなことを言っていて…  2人とも、前職を辞めた理由は、     『トイレ問題』らしい…」 高井は、呆れ気味に呟いた。        「トイレ問題ですか?」 茉由にも、ピンとこない。 「あぁ…  男ばかりの職場で、  男女兼用の、『1つ』しかない  トイレに、入りにくいのと…、  トイレに入るときに、『隠語』で、  声掛けをしなければならないのが      無理だと言っていたな…」             「隠語?」 「あぁ… メガネ店なので、  何事にも、スマートに、  人前で『トイレ』などとは  言えないから『3番入ります』と  男ばかりの前で宣言するらしい、  すると、それに、staffから、 『いってらっしゃいませ~!』の      コールがあるらしい…」 高井は、フッっと鼻息を漏らしながら、 その様子を想像して?真似てみた。         「…          そうなんですか...」 高井が、お道化てみせるのは珍しい、 いや、 初めてかもしれない。 茉由は、 いつもニヒルでクールな高井の、 意外なそんな様子に、肌寒い中、 つい、 一瞬、ホッコリしてしまった、 これは… 当人には大問題だったのに。 「まぁ、若い娘には、  大変な問題、なんだろうがな…  2人が入ったら、  社長室floorのトイレを見せてやれ、  あれを観たら、きっと驚くぞ、…」          「承知致しました」 茉由も少しは、責任者らしくなってきたのか、 なんとか、これで、研修会場も落ち着いてく れれば良いのだが… 「おい!」 外での話が長くなり、 茉由が寒がると、高井は体の向きを変え、 バックハグをして茉由を温めた。 高井の腕は、マフラーの様に茉由を包む。        …エッ!ヤメッ!               でも…        …あぁぁぁ、              モォー         寒くて!          我慢できないぃ~ … あんなに、警戒していたはずなのに、 こういうところが足りないところで…、 茉由は、寒い、外なのに、コートも着ていな いし、冷たいベンチに、もう、長く腰かけて いたので、手足が寒くて震え出してしまい、 そのまま、 飢えていた、温かさを、分けてもらった。 「寒かった、な…」              「……」           …ソウ、デス!…           …スゴク…            サムイ!デス… 茉由は、 鼻血はでないが、 鼻水が気になる。 高井はそのまま、 後ろから、 覆いかぶさるように、 強く茉由を抱きしめる。 ところが…         『ギュルルルル!』         「あっ…」           …うそっ💦… 茉由は、 両手でおさえたお腹に力を込めて、 唇をかみしめたが、 俯いて顔が真っ赤になる。 「くっ!」 高井の顔は、茉由からは見えないが、 ニヤッと右側の口角を上げた。 茉由はこんなに簡単に、 寒い外でワザワザ長話をした、 高井の思惑?どおりになってしまう。 「さて、と…」 二人は、そこから近い、 三角の大きなビル、 その、高層階へ往き、 『ジュ~!』        『カン!カン!』   『シュ!シュッ!』 高井は、 神戸牛ロースを、 茉由は、手の込んだソースで シーフードを、 幅広の大きな鉄板が磨き上げられて美しい、 鉄板焼きの店で、ネクタイ姿のもの静かなシ ェフに、軽快な、魅せる!みごとなコテさば きで、目の前で焼いてもらい、 茉由は、リラックスできる、フルーティーな、 シチリアワインで楽しんだ。 茉由は、 大きな鉄板の前に座っているので、頬までほ んのり赤くなり、さっきまで寒さで強張って いた身体も、すっかり、無駄な力が抜けた。 ここから観る、新宿の高い夜景は美しく、 ザワザワとした下を見る必要もない。 「キレイ…」 食事が終わると、茉由は、窓の近くに立ち、 夜景を眺めた。高井は、茉由の後ろに立って、 自分の躰の左半分を茉由に重ねると、茉由の 右肩の後ろから夜景を眺める。 高井の、左手は、ゆっくりと静かに茉由の髪 に伸び、茉由が髪を束ねていたシュシュを外 した、茉由の明るいブラウンの髪は、ゆるく カールされたまま、肩で遊んだ。             「あれっ?」 「この方が善い…」 茉由は、 手で抑えようとしたが 高井は それを止めた。 高井は、外した、レースとオーガンジーの淡 いピンクの可憐で華やかな、たっぷりレース が重なっているシュシュを、 ふわっと、花のように、茉由の、右の手首に 着けると、その手のひらをそのまま、自分の 左手で握りしめた。 高井は、手を握ったまま、茉由の右横に並び、 窓の外を眺めながら茉由の右耳に優しく呟く、 「『Chouchou』とは、  フランス語で"お気に入り"       という意味だぞ」              「…はい」          …手が繋がってルト           温かいケレド…                それハ… 三角のビルの高層階の、小さくカタチが整え られた、こじんまりとした窓際に並んだ二人 は、そのまま、暫く、そこから広がる新宿の 夜景を楽しんだ。 茉由は、 窓に映った高井の表情を確かめる。 堂々と胸を張り、強い男の貌で、 新宿の夜空を眺めている。 高井は、 どんな処でも、 高い場所が好き、な、ようだ。 そして、 利き手じゃない、 左で手繋ぎしたのは… 高井は、 車に戻るまで、 ずっと、 繋いだ手を離さなかった。 それは、 kissよりも、長い時間、 触れ合って、 ずっと繋がって… 茉由は左利きだから、 右手を繋がれても困らない。 …それから、 しばらくして、契約社員の新人、 🐤🐤2人が、研修会場へ入ってきた。 「本日からお世話になります、 🐤小野真愛と申します。  宜しくお願い致します!」 「同じく、契約社員で  採用になりました、 🐤清水玲です。宜しく  お願いいたします!」 🐤… 🐤…         『パチパチパチパチ』 「宜しくね!」 茉由は、研修会場の入り口にsettingされた 上品な、ブラックウォールナットの受付 カウンターへ🐤🐤を案内した。 「あのね…、しばらく、は、 🐤🐤に、受付をしてもらいます。  ここは、  限られた者しか来ないので…、  時間があるときは、  交代しながら、受付から離れて、  ココの設備や、各boothを視て、  清掃をお願いします。  どのboothも、 『✨いつも、✨美しく、✨きちんと!』  しておいてください。急な、      対応が入る事もありますし...」 「はい!」🐤… 「かしこまりました!」🐤… 新人に清掃をさせるのは、「動きながら」 ココの、隅々まで、先ずは『覚えさせる』 ため。 そちらの方が、大事に、新人🐤🐤には、 まず、ココの受付業務を担当してもらう。 🐤🐤は、 不動産関係の仕事は初めてとの事で、 ココに居る者たちとは少し雰囲気が違う。 イマドキの娘なのか、友達と一緒に入れたこ ともあったのか、新しい職場に警戒心もなく、 可もなく不可もなく、自然体なカンジで、 物怖じしない。 でも、メガネ店で接客をしていた🐤真愛は、 アイドルのように可愛らしく、愛嬌があるの で、この場を明るくしてくれそうだし、 前職場でも、販売促進会議に出席し、自分の 意見を言えていた🐤玲は賢そうで、すぐに、 仕事を覚えそうだし、 茉由には心強く、 嬉しかった。 だから、嬉しさのあまり、さっそく、 並んだ🐤🌸🐤の間に入り、 staffの方を向かせると、 「この会社、  女性は下の名で呼ばれるので、  🐤🐤は、『マイとレイ』ね!」 茉由は、皆に親しみを込めて紹介した。 ところが… 「女性は?なんで…、  先輩たちも?  下の名前で、デス、か?  私、前の職場でも新人で、  ココも🐤だから良いですケド…」 🐤マイはキョトンとした。    「あぁ…これは、     この会社、だけ、     かもしれないけれど、     結婚・離婚で、その都度…、     呼び方が?変わるのもね…」 茉由は、 少し、濁した言い方をしたのかも しれないが、 「その都度?この会社、  離婚経験者が多い!     ン、デスカ?」 🐤レイは鋭く突っ込んでくる。   「えっ!…そんな事、も、ない、    けれど...、これは、この会社の    慣習みたいで、それに…、    いずれは、    変わるかも知れないし…、    でも、とりあえず、       今は、そうだから…」 鋭い突っ込みに、何とか取り繕ってみる 茉由だが、 「そうですよね!  年上の?あっ…、  先輩に?   イヤですよネ!」 🐤マイは、言葉を選びながらも、 腕組みして考えちゃうし、 「ナンカ…、女だけって、  これって…、  男優位なんデスカ?」 🐤レイも怪訝な表情に変わった。               「えぇ...」 茉由はcameraの方をチラッと確認し、自分 の言い方が、マズかったのかと心配になって きて…、この変な雰囲気が上に伝わって、 また、急に内線が入って、高井に、これで? 怒られたら、バツが悪いし…、        「ココは、         女性だけの職場だから、            皆、同じでしょ?」 っと、流してみたが、 「…同じ?デス?…」  🐤マイは、それにも不思議がり、 「そう、デスカ?」   🐤レイも、首をかしげる。 茉由は、  「んんん~」っと困ったが、 「あっ!茉由さん、  私が、🐤🐤に!この会場内を       ご案内してきます!」 結奈は、急に飛び込んできて、 話を変えてくれたので、 これに… 「お願いします!」茉由も、 「お願いします!」🐤マイも、 「お願いします!」🐤レイも、 3人とも、その空気?を感じ、 3人とも、同じ、返事をしたのだけれど、 すかさず、乃里は、 「私たちは! 『派遣社員!』です。  宜しくお願い致します」っと、反応し、 「お願い致します」奈美恵も、 「お願い致します」沙耶も、 席を立って、広い研修会場に契約社員の 🐤🐤が入っていくのを笑顔で見送った。 研修会場では、 それぞれが、 それぞれのカタチで、 ココでの、 同じ仕事を、 いっしょに働く。 これは…、 「私は、フリーランスです。   さぁ…、往きましょう!」 結奈は、お姉さんの様に 🐤🐤をご案内した。 ココの研修会場は、場面場面、シチュエーシ ョンで、接客対応のロープレがしやすいよう に、各boothがつくられ、 応接セットのbooth、キッチンboothでは、 お茶出しや営業担当に引継ぎをするまでの 事が設定されたり、 展示boothでは、 各物件の情報、オプション品などが並べられ、 ご説明の設定がされたり、新物件、新商品を 覚えたり、 entrance、通路、elevatorなどが配置された ところでは、 お客様のご案内の仕方や、ご挨拶などが設定 されたりする。 それらが、全て、この会場にsettingされて いて、そんなやたらと広い会場なのにstaff は、少なく、茉由たちのdeskは、これらを 見渡せるように、会場入り口近くにある。 だから、 少ない人数で、シッカリまとまらなくては いけないのに、 ココへ、 可愛らしいマイとレイが入ったおかげで 受付も華やかに、 deskも賑やかにはなったのだが… 「皆、同じ」には拘るし、 「私だけ、特別」も好きだけど、 それは、 「私たちとは、違う」じゃぁ、困るし、          🐤…          「ンンン…」🐤… 年はかわり… 高井は、 年初の、各部のTOPが集まった会議が終わる と、会議室から一番に出て、社長室前の受付 に座るミオンに、優しい、爽やかな営業用ス マイルで目配せをする、 ミオンは、高井の考えでここへきた娘だが、 本人は、まだ、その事を知らない。 高井は、ミオンの様子をもう少し、視てから、 自分のために動かす事を考えている。だから、 いまは、優しい貌しか魅せない。 「もう、会議は終了したから、  片付けが、できるぞ!」         「はい、          かしこまりました!」 高井は、 穏やかな優しい貌でミオンの傍まで、 ワザワザ近寄り、 会議室を出てから、さりげなく、 身に着けたムスクのコロンの、 強い男の香りを、ミオンに覚えさせる。 ミオンはココに、 いつも独りでポツンと居るから、 人恋しくて、 声をかけられると嬉しい。 ましてや、ミオンはまだ新人。 優しい(男臭いイケメン)上司からなら、 なおさら、構ってもらえたことが、 嬉しくて心強い。 その受付カウンターには、今日も、 誰が用意したのか、 「ピンクデンファレ」が、飾られていた。 数日、が、過ぎ…          「 こんにちは!」 茉由は、新人2人を連れて、🐤🐤... ミオンの前に立った。 「 お疲れ様でございます!」 ミオンは席を立ち、そう、ご挨拶すると、 腰から頭まで一直線になるよう背筋を伸ばし、 30度の角度で上体を倒すと、ゆっくりと、 「イチ!ニ!の間(ま)」で、丁寧な、 お辞儀をした。 茉由は、研修会場の係長として、その、 「お辞儀」を、真顔で、チェックしながら、 左手で、「合格」の、👌サインを、 ミオンに見せた。 「 はい、綺麗に、  ご挨拶できました。ちゃんと、 『 お疲れ様でございます』を  言い終わってから、  お辞儀をしたのも正解です!」 「こちらは…、研修会場に入った、  新人の、マイさんとレイさん!  GMから聞いていますか? 『 ここのfloorのトイレ!  この2人に見せたら 』       って、話ですけど…」 茉由は、一気に、 ミオンへのお辞儀の評価と、 高井からの「云いつけ」の話をした。 「はい!  お聞きしています!」 研修会場の係長からお辞儀を褒められた ミオンは、嬉しそうに肯くと、 自分よりも後に入った者に向かって、 早口に喋る。 「ここの『🚻』、凄いんですよ、  私も、初日に、  間違えちゃったくらい、  デザインが際立っていて、  ホント、自慢の、 『✨魅せる🚻』なんです。      私がご案内しますね!」 茉由に褒められたのがそんなに嬉し かったのか、人恋しいのか、 いつまでも、 ニコニコ顔で、いつもの、緊張する、 VIP対応ではなく、珍しい、社内の、 同じくらいの者にも、ミオンは喜び、 自分からご案内役を申し出て、さっそく、 🚻に向かって通路を進もうとする。 「そうなんですね、私も、  まだ、見たことがないので、        見学します!」       茉由も、興味があるようで、新人たちと一緒 に、ミオンについて行った。 🐤🐤は、不動産会社も初めてだし、 いきなり、 最上階で、社長室もある、こんな、 ゴージャスな雰囲気のオフィス空間も初体験 なので、ワクワクしている様子、 異空間に感じ、ギコチナイ動きのまま、茉由 にピタッとついて、眼だけをキョロキョロと させているのが可愛い。 「 こちらです❣ 」 ミオンは、 そこは「🚻」なのに、大げさに、 指先までキチンと揃えた掌を、 🚹のドアハンドルへ向け、 🐤🐤に、 ドアを開けるようにご案内した。 「こちらは、  🚹ですが、ぜひ!  入ってみてください。いまは、  このfloorには、社長以外は、  男性はおりませんので、       ご安心ください…」 社長は居るのに…、ミオンは、 いたずらっ子のような笑みを見せて、 🐤🐤の背中を押した。 🐤「 えっ?そうなんですか!」  マイは営業用スマイルで、 🐤「 では、失礼します」  レイは、勉強の為に、  ドア🚪に手を掛けて、 茉由も一緒に、🚹に入った。 ✨✨✨✨ 「 うわぁぁぁ!」マイは目を見開き、 「 おぉ~!」 レイは、オジサンのような声を 出した。            ✨✨✨✨ 「ホント、スゴイ…」 茉由も、開いた口が塞がらない。 ✨✨✨✨ ココは🚹、およそ、50㎡くらいで、 内装は、ブラックが基調に、明るすぎずに 清潔感もある、落ち着いた雰囲気、 「 良い香り~!」🌹🌹🌹 🐤 🌹🌹🌹    マイは鼻を上に向け、顔を左右に揺らした。 ココは、🌹🌹  🌹🌹🌹  🌹🌹 🌹アロマフレグランスの良い香りが漂う🌹 「 なに❣ コレ⁉」 🌹🌹  🐤  🌹🌹 レイは、入ってすぐ右手にある、スタイリッ シュナ扉🚪を開ける。 🌹🌹🌹 そこは、🚹なのに、👔着替えや身だしなみ を整える事ができる、巾木上から天井まで の大型ミラー付きの dressing room。 その横には、✨✨✨   🌹🌹🌹 荷物置きと、椅子が配置された、ゆっくりで きるコーナーもあるので、茉由はチャッカリ そこへ腰かける。✨✨✨    🌹🌹 その、そばには、 💧ウォーターサーバーがあり、 🌹🌹 そこから離れた処にある、用を足した後の手 を洗う水道水ではないもので、歯磨きや、口 をゆすぐ✨こともできるWashstandsもある。 この重厚で上質な✨大理石カウンターの風 合いは上品で、✨✨✨ 美しい納まりの、✨ホテルのような洗練され た洗面空間は、デザイン、素材、ディテール に、こだわりがみられ、✨✨ その艶やかな石肌とおおらかな石目柄を持つ ✨大理石の洗面 dresserは、✨✨✨ 顔や手元を明るく照らす照明も、オン・オフ の切り替えや、調光は、手を差し出すだけの タッチレス。✨✨✨ 💧水栓だけではない、タッチレスは、ココに は良いカンジ。✨✨ その、 周りには、大小たくさんの観葉植物も配置さ れ、便器が設置されている処とは、間仕切り のパーテーションと共に、🌴🌴🌴 🌴🌴 空間が、🌴ハッキリと🌴分けられて🌴いる。 そんな緑の柔らかさは、ココの「艶黒」の見 た目の冷たさもカバーし、お互いに、美しさ を引き立たせる。 「こちらは、ただ、  綺麗なだけではなく、  TPOでの  お着替えもできる  Dressing room と  Washstands、Dresserが  並んでいるのなら、  きっと、有意義に、  VIPの方々にも  ご満足頂けるでしょうね!」 茉由は、感心する。 それぞれが、キョロキョロと、 ああだこうだ、と、結構な時間、 ここに、入ったままだが、 ここは、 24時間換気と、 温度、湿度も コントロールされた、 空調システムで 暑くも寒くもなく、 ちょうど良い、 それに、観葉植物のグリーンは、 温かみも出してくれているが、ちゃんと、 エリアの「空気」も換えてくれている? 観葉植物で、✨空気清浄効果がある?と イワレているものはいくつかあるが、 サンスベリアの、先が尖った葉っぱは、 邪気を跳ね除け浄化する力があるとイワレ、 トイレにはぴったりの植物、 ドラセナ・マッサンゲアナは、 「幸福の木」としても知られているが、 丈夫で管理しやすい。 🌴アレカヤシは、 見た目が南国風で、リラクゼーション効果 が高いし、      🌴🌴🌴🌴🌴 ディフェンバキアは、 白や淡い黄色の斑があって葉が美しい。 そして、 ポトスも、丈夫で、生命力が強い。 「あの…、 ココ、🌴広いし✨キレイ✨だし🌴、 明るさもちょうど良くて… 私、この中に、一日、🌹🌹 ずっと、居ても平気です!」🐤… マイは、ココの美しさにウットリした。 🐤「🚹がコレッテ凄いですね!     撮っても良いですか?」 レイは興味津々でスマホを取り出した。 「🙅 撮るのはちょっと…」 茉由は、レイを止めた。 「🍓 いちご狩り 🍓」の 高井とのツーショットを思い出し、写真を 撮る事には敏感になり、慎重になっていた。 「 残念💦…」⤵🐤マイも、 スマホをシマッタ。 それでも、 この空間は、あまりにも激感動だったようで、 トイレ環境に不満があって仕事を替える事に なった、この、🐤🐤は、 とても満足したようだ。 また、この🚻に、ちゃっかり、 遊びに来るかもしれない。 ココのfloorで働くミオンは、自分が褒めら れたように思え、また、 この本社で、自分のように、この時期に、 新しく入った、同じ年齢の、者🐤🐤も 知る事ができて、ココでの仕事に、少し、 安心したようだった。          ... ヨカッタ 💛… 高井は、🐤🐤の事だけではなく、 たった、 「独りのミオン」の為に、 そんな事も考えていたのだろうか、 「ミオンさん?研修会場では、  マナー研修もありますから、  次回に、ミオンさんも、出席  してください。ここでの、  VIPのお客様への  接客のためにもネ!  あっ⁉そう、🐤🐤も、ネ」  「 はい!   ありがとうございます 」            🐤🐤🐤… ミオンは、優しそうな茉由に甘えるように、 嬉しそうな笑顔になり、また、その時に、 マイやレイに逢えるのを楽しみにした。 茉由も、🐤🐤+🐤の前で、嬉しそうだ。 この✨ キ✨ ラ✨ キ✨ ラ✨ の、 ピ☆カ☆ピ☆カな! 🐤🐤🐤に、とても期待した。 トイレから、皆が出てくると、ミオンはその まま付き添って、お見送りに、エレベータま で同行し、茉由たちが乗り込んだエレベータ の扉が閉まるまでお辞儀をしていた。           「さてっと!                あれ?」 ミオンが自分の任されている社長室前の受付 に戻ろうとすると、エレベータホールの端に、 ウォーターサーバーの交換用のボトルが 3つ置いてあるのが目に入った。       「これ、交換用だから、        dressing roomの        中じゃないよね、        どこに運ぶんだろ?        業者さん?        分からなかったのかな…」 ミオンが不思議そうに、独りでポツン!と、 その場て、立ち竦んでいると、いつの間にか、 全く!なにも、音を立てずに、 静かに先輩秘書さんがミオンの後ろに 立っていた。 「それ…、運んで!」            …ウワァ!…             「エッ⁉                はい…」 先輩秘書さんは「○○まで」と、ボトルの置 き場所を云わずに、ゆっくりと方向を変え、 自分だけ、優雅に通路を歩きだした。 ミオンは、いきなり、先輩秘書さんが動き出 したので、何も確認できないまま、急いで、 ボトルを抱え、あとを、ついて行くのだが… 先輩秘書さんは、じつに、ゆっくりと、優雅 に、ミオンの前を歩いて行く…           …おっ、重い💦… ミオンは、どこまで、運ぶのかが分からない ので、先輩秘書さんの、この、ゆっくりとし たスピードに合わせて、その、重いボトルを 抱えたまま、歩くしかない。でも…        ...このカンジ、コノヒト、         怖くて、こっちからは、              聴きにくい… そう、 この、先輩秘書さんは、社内では有名な、 「美人社長秘書」さんだが、無駄話はいっさ いしない、鉄の仮面を身に着けたココの先輩 で、ミオンからは、話しかけづらいし、 新人のミオンにだけは、いつも冷ややかな オーラを魅せる。            …重い💦                なっ… 社長室のある、ココ、本社最上階のfloorの 床は、フカフカなカーペットが敷かれていて、 とても美しい。 だからミオンは、ボトルが、かなり重くても、 そこには、やたらと、あるべきものではない、 これを置きづらい。 ミオンは、重い、水の入ったボトルを持ち上 げたまま、その、美しい床の上を、モデルが、 ランウェイを優雅に歩くように、ゆっくりと 進む、先輩秘書さんの後ろで、 ちょうど良い距離を保ったまま、 ついて行く、しか、ない。          …オモッ!ッテカ、           どこまで?            結構💦遠い?… 学生時代に、ずっと、ラクロスに夢中になっ ていたミオンは、体力もあり、若いし!力仕 事も平気だけど、 この先輩秘書さんは、可憐で、そんな力仕事 は似合わないのに、ミオンが入るまで、こん な事をしていたのだろうか… ミオンは、キョトンとしたまま、優雅な所作 の先輩秘書さんに、ついて行く。 「ココに入れて!」              「はい」 そこは、エレベータホールから一番離れた処 にある備品が入っているバックヤード。            「遠かった💦               ですね…」 「......」 ミオンが、つい、声を掛けてしまっても、 この美人秘書さんは、ミオンとの距離を保ち、 返事はしない。それでも… 「あと、2つ、  ここに運んでおいて!」            「はい…」           …フゥ~              あと2回… ミオンは、云われた通りに、 残りの重たいボトルも運び入れた。 けれど…
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