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「ボク、たびになんか出たくなかった」
まだお家を出てからそんなにも歩いていないのに
ちびガエルはさびしくなってしまいました
「どうしたの? ちびガエルさん」
うすむらさきのキレイな羽根のちょうちょがふわり
やさしい声で話しかけてきました
「あのね、虹のふもとに咲く虹色のお花って知っている? ボクその花をつみにいくの」
「さあ、わたくしは見たことがないわ。虹はあっちよ。ずーっとずっと森の奥、ちびガエルさん一人で行くのかしら? さびしくはない?」
「一人だって平気だよ! ボクは、ぜーんぜんさびしくなんてないから」
――ボクにはどうしてもその虹色のお花が必要なんだもの
さびしいなんて言ってられない
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