7人が本棚に入れています
本棚に追加
「2人ともなんかあったの?」
町田さんだった。
「何もないよ」
僕は拗ねたように答えると、涼平が話始めた。
「健太、女が稼げる仕事が知りたいんだって。有芽何か知らない?」
「女が稼げる仕事?何でそんなの知りたいの?」
町田さんは興味深々に僕に聞いてきた。
「いや、ちょっと気になるだけ」
町田さんにあまり知られたくない。僕は話題を逸らそうとしていると、そこへもう一人やってきた。
榎本晴香だった
「ゆめー、見て。これ新刊出てたよ!!キャンディークラッシュ」
「うそ、ヤバイ!!後で絶対買う」
女性2人がハイテンション気味に会話し始めるのを前に、涼平が渋そうな顔で首をすくめていた。
「どうかしたの?」
「あれ、BLだよ」
「だったら、何よ?!」
榎本さんはキッと此方を睨みつけた。
「別に〜、ただ何で売れてんのか、よく見かけるんだよ。そのキャンディーの本」
「あれ、桑島くんこれ知ってるの?」
「うち妹いるから、AKIRAの本なら何冊かあるけど」
僕は一瞬耳を疑った。
「涼平、今なんて?」
「えっ?AKIRAがどうかした?」
僕は閃いた。いや、勘付いた。
キャンディーにAKIRAって、まさか旭さん?!
最初のコメントを投稿しよう!