美咲は誠也になにかがしたい

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「うう、どれも美味しそう。悩ましいなぁ……」  私はメニューに並ぶパフェを見ながらうんうんと唸った。  このお店は『抹茶パフェ』のお店なのだけれど、その『抹茶パフェ』にもいろいろな種類がある。  スマホで写真を見たわらび餅が載ったもの、層の部分にミルク寒天が入ったもの、大粒の苺と苺のアイスが載ったもの、たっぷりとマンゴーの果肉が盛られたもの……。どれもこれもが、私の心を惑わせる。 「ふふ、いっぱい悩んで。ゆっくり待ってるから」 「誠ちゃんは、どれにするか決まってるの?」 「うん。僕は一番、オーソドックスなのにしようかなぁって。白玉とあんこが載ってるこれ」  オーソドックスなのもいいよね。シンプルな分、きっと抹茶の味が際立つだろう。な、悩むなぁ…… 「私は……苺と苺アイスが載ってるのにしようかな」  さんざん悩んで、私は『苺たっぷり抹茶パフェ』に注文を決めた。『果肉たっぷり! 店で手作りの苺のアイス』という一文が決定打となったのだ。 「オプションで、わらび餅も載せられるよ?」 「それは、食べ過ぎなのでは……!」 「いいんだよ、旅行中だもん。帰ってから、節制すればいいの」  誠也はそう言って、にっこりと魅力に溢れた笑みを浮かべる。  ……誠ちゃんは、悪魔なのだろうか。  悪魔の誘惑に私が逆らえなかったことは、言うまでもない。
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