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「私は中身もしっかりしたイケメン限定よっ!」
マイカは力強く語った。
「……って待って、それって外見がどうのこうのいうレベルじゃないよね」
ジッとミルアを見つめながら改めて答えた。
「でもさぁ、お金持ちなんだしぃ、少しくらい違っててもいいよねぇ」
「イヤイヤイヤイヤイヤ、だからそういうレベルじゃないでしょ」
マイカはブンブンと首を横に振りながら答えた。
「だってぇ、ファブリーとはちゃんと友達してるよぉ」
「あくまでも友達よ。ねぇ、考えてみて。あんたはアモーニス人の男と……その……で、できるの?」
マイカの声は徐々に小さくなっていった。
「何を?」
ミルアはとぼけた顔でわざとらしく返した。
「何をって……その……ナニよ」
「だからなあに?」
「……セ、セッ……クスよ」
「マイカ、エローい。もー、そんなことできるわけないよぉ。プラトニックだよぉ」
ミルアは赤面するマイカに向かって一際大きな声を出した。
「あっ……そう、そうよね……で、でもさ、相手が求めてきたらどうすんの?」
「それ以前にさぁ、種族が違うんだからできないよぉ……あれっ? できないのかなぁ……男の人よく知らないから分かんないねぇ」
ミルアは可愛く首を傾げながら適当な口振りで話した。
プラネタリー・ユニオンという枠組みの中では不可侵惑星への異種交配による種族侵害を禁じている。これは、惑星国家が持つ権利であり、不可侵惑星はあくまでも種の保存を目的とした地であるという観念の元に制定されていた。
このため、ハイブリッド種は不可侵惑星以外の惑星での生活を余儀なくされており、好き好んで異種交配をする者はほとんどいなかった。しかし、異種交配では自然な形による新たな生命の誕生確率は非常に稀であり、例え近い種であったとしてもそうそう受胎できるものではないというのも事実であった。実際、ハイブリッド種が誕生しようものならば、プラネタリー・ユニオン内を奇跡ともてはやされたニュースが駆け巡るほどであった。
不可侵惑星は各惑星国家で制定し、プラネタリー・ユニオンに登録することになっている。主に惑星系内で知的生命体である人類が誕生した惑星を不可侵惑星と制定する場合が多いが、生活圏が別の惑星に移っている場合などはそれら惑星を不可侵惑星としている場合もある。例えば、太陽系では地球が不可侵惑星である。
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