第1話 ~政海ちゃんと海里くん~

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 海里ちゃんと呼ばないように気を付けているけれど、どうしても長年の癖で呼んでしまう。  それに『海里』なんて呼び捨てにしたら、ドキドキが止まらなくなってしまうから、つい、海里ちゃんと呼んでしまうよ。  海里ちゃんは本当にカッコよくなった。とても一言では表せられない。寧ろ本物の男よりカッコイイ。  もともと素敵な女性だったけれど、何か思う事があったらしく、彼女も大学デビューと銘打って男装を始めた。僕と真逆。  そんな海里ちゃんとは家賃を浮かせるためにも、『しあわせ荘』という安アパートで一緒に暮らしている。二LDKとは聞こえがいいが、正直手狭なアパート。でも、部屋がひとつずつあるから何とかなっているけれど、海里ちゃんのカッコよさにどんどん惹かれてしまって、今では・・・・。 「チッ。また海里かよ」 「お前はモテるんだから、政海ちゃんに手を出すなよ!」  僕を取り囲もうとしていた男性陣が、海里ちゃんを攻撃する。 「あれ、言ってなかったっけ?」海里ちゃんはそんな視線やヤジも気にせず、ぐっと僕を引き寄せ、不敵な笑顔を彼らに見せつけた。「私、政海のボディーガードなんだ」  きゃああーん! 海里ちゃーん!  SKD(そんなに カッコイイの ダメ)――っ!!  DS(ドキドキ しちゃう)!  DSY(ドキドキ しちゃう よおおおっ)!!  
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