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海里ちゃんと呼ばないように気を付けているけれど、どうしても長年の癖で呼んでしまう。
それに『海里』なんて呼び捨てにしたら、ドキドキが止まらなくなってしまうから、つい、海里ちゃんと呼んでしまうよ。
海里ちゃんは本当にカッコよくなった。とても一言では表せられない。寧ろ本物の男よりカッコイイ。
もともと素敵な女性だったけれど、何か思う事があったらしく、彼女も大学デビューと銘打って男装を始めた。僕と真逆。
そんな海里ちゃんとは家賃を浮かせるためにも、『しあわせ荘』という安アパートで一緒に暮らしている。二LDKとは聞こえがいいが、正直手狭なアパート。でも、部屋がひとつずつあるから何とかなっているけれど、海里ちゃんのカッコよさにどんどん惹かれてしまって、今では・・・・。
「チッ。また海里かよ」
「お前はモテるんだから、政海ちゃんに手を出すなよ!」
僕を取り囲もうとしていた男性陣が、海里ちゃんを攻撃する。
「あれ、言ってなかったっけ?」海里ちゃんはそんな視線やヤジも気にせず、ぐっと僕を引き寄せ、不敵な笑顔を彼らに見せつけた。「私、政海のボディーガードなんだ」
きゃああーん! 海里ちゃーん!
SKD(そんなに カッコイイの ダメ)――っ!!
DS(ドキドキ しちゃう)!
DSY(ドキドキ しちゃう よおおおっ)!!
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