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「わわっ、政海、どうしたの? 今の泣くようなトコ?」
「うん、僕・・・・今までそんな風に言ってくれるのが、海里・・・・しかいなくて・・・・」
「そっか。でも何でこんなに可愛い政海を、他の女の子たちは放っておいたのかねぇー。不思議だぁー」
不思議そうに指を顎にあて、うーん、と美乃梨ちゃんが悩んだ。
「僕ね、海里・・・・以外友達、いなかったんだ。上京をきっかけに頑張って明るく振舞っているけれど、オタクだし・・・・コイバナとかしてみたかったけれど、相手にしてくれる女の子が海・・・・じゃなくて、全然いなかったから、ずっと一人だった」
危うく海里ちゃんが女の子だったと言いそうになってしまった。気を付けなきゃ!
「そっかそっか」美乃梨ちゃんが僕の頭をよしよししてくれた。「これからは私といっぱいコイバナしようねぇー」
「うんっ! したい、したい!」
嬉しい! 騙しているみたいで申し訳ないけれど、美乃梨ちゃんの存在は本当に嬉しかった。僕に初めて女の子の友達ができたから!
それまではずっと海里ちゃんが女の子の友達だったけれど、今はもう違う。
海里ちゃんは僕の、大好きなひと――
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